魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
バタンと後ろの扉を開けたのは、どこからどう見ても非の打ち所のない、当領地の公爵令嬢様。だが、せっかくの大人っぽく鎖骨を見せたロールカラーのブルードレスが、怒った顔で頬をぷっくり膨らませていては台無しだ。
彼女はこちらにツカツカと歩み寄ってくると、腕組みしながらカヤさんを冷たく見下ろした。
「お姉様、こちらの方は?」
「えっ? あっ、ああ、テレサにも紹介しなきゃね。この子は、カヤ・リュドベルク公爵令嬢。先日の件であちらに赴いた際、お兄さんのラルフさんと一緒に助けに行って、仲良くなったの」
「ふ~ん。リュドベルク家のご令嬢様、ですか」
まさかこの場でおおっぴらに呪いのことがどうのと言う訳にもいかない。
それとなくぼかした説明でどうにか納得してもらおうとしたのだが、なぜかテレサはツンケンした瞳でカヤさんを見つめると、私たちが握り合わせていた両手をえいと引き剥がした。
「ど……どうしたの?」
そして困惑する私たち……というかカヤさんに向け、顔を真っ赤にして言い放つ。
彼女はこちらにツカツカと歩み寄ってくると、腕組みしながらカヤさんを冷たく見下ろした。
「お姉様、こちらの方は?」
「えっ? あっ、ああ、テレサにも紹介しなきゃね。この子は、カヤ・リュドベルク公爵令嬢。先日の件であちらに赴いた際、お兄さんのラルフさんと一緒に助けに行って、仲良くなったの」
「ふ~ん。リュドベルク家のご令嬢様、ですか」
まさかこの場でおおっぴらに呪いのことがどうのと言う訳にもいかない。
それとなくぼかした説明でどうにか納得してもらおうとしたのだが、なぜかテレサはツンケンした瞳でカヤさんを見つめると、私たちが握り合わせていた両手をえいと引き剥がした。
「ど……どうしたの?」
そして困惑する私たち……というかカヤさんに向け、顔を真っ赤にして言い放つ。