魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
 瞳を勇気にきらめかせ、彼女は真っ直ぐテレサを見つめる。そして返答は――もちろん。

「ええ、嬉しいわ! ぜひ今後も隣領の者同士、いいお付き合いを続けていきましょう!」

 心からの笑みで立ち上がると、テレサは包み込むようにカヤさんの身体をそっと抱きしめた。ここで生まれた新しい絆は、彼女たちが互いを大切にしあう度だんだんと強くなり、この先々に置いてふたりの心を守る力となってくれるだろう。

 でもって、さっと身体を離したテレサは両手を腰にやると自慢げに言った。

「まあ、それでもシルウィーお姉様は私のお姉様なのですけどね!」
「むーっ、負けないもの。絶対私の方が仲良くなってみせちゃうんだから!」

 すると応じるように、カヤさんもべっと舌を出し……可愛らしい独占欲の応酬におかしくなったか、ふたりは耐え切れずに笑い出してしまった。

「へへ……なんだよ。あんたの妹も結構いいやつじゃん」
「ふん、てめーこそ、妹はまともなやつでよかったな。兄貴が筋肉バカでも、リュドベルク家はなんとかやっていけそうだ」
「んだと!?」
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