魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
 今思えば、こんなにも彼が長期間城を空けることは無かったし、こうして自分の部屋で外の景色を眺めていても、不安ばかりが膨れ上がってしまう。

(なにかあったり、してないよね……?)

 あれから事あるごとに、テレサやカヤさん、ラルフさんが私のもとを心配して訪れてくれる。
 彼らと話しているとその間は気が紛れるのだけど、でも、こうしてひとりで過ごしていると全然落ち着かない。ずっと部屋の中をうろうろしたり、溜め息をつきながら嫌な想像を膨らませたりして、何も手につかないのだ。

(どうしちゃったんだろう……私)

 こんなにもスレイバート様のことが、気になって気になって頭から離れないのは初めてだ。左手の婚約指輪を見ていても、一向にその気持ちは収まらない。

 あんなに強いスレイバート様に何かあるなんて、あるわけないのに……。

 でも、誰かに毒を盛られたり、魔法を封じられて捕えられ、どこかに連れていかれたり……。
 いいや、そんなこと、あるはずが……!
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