魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
 そのまま……彼がいつもかけている席へ。

 机の上には、以前私が送った水晶製のペンスタンドが、綺麗に磨かれた状態で置いてあった。大事にしてくれているのを確認してほっとしながらも、どうしても瞳は他の場所に向いてしまう。重要な書類もあるだろうし、あまり勝手に見るのも良くないと思いながら、ちらちらと机周りになんらかの手がかりを探してしまい……。

「これは……」

 あるところで、私の視線がぴたりと止まった。

「……手紙」

 ごみ箱の上に重なっていた、破られた便箋の束。
 それを見た私は微かな手掛かりをも求めていたのか、無意識に身体をかがめていた。
 するとそこに綴られている文章の断片が目に入り、拒もうと思っても、自然と頭の中に入ってくる。

【――あなたのことを知りたい】
【――会いたい】
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