魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
【――望みは何でも叶える】
【――このことは俺とあなただけの秘密にしてくれ】
……そんな、聞きようによっては深い間柄だとも取られるような言葉が、いくつかの便箋の上に記されていて、私の心を激しく乱す。
(これ以上、見ちゃだめ……)
そう思ったのに、私は嫌な想像を否定するための証拠を探さずにはいられなくて。破れた便箋の切れ端を震える手で取り上げると、裏に回す。
そして息を詰めた。
【ゲルシュトナー領クラメーア街八番地 メレーナ・エルプセン】――宛先には書かれていたのは、明らかに、女性の名前で……。
「……ち、違う、よね」
私はそれをぽとりと取り落とすと、そんなはずないと繰り返しながら後ずさっていく。心臓が嫌な音を立て、どくどくと脈打つ。
だって、スレイバート様は、旅立つ前にこの指輪を私にくれたじゃない。ちゃんと帰って来るって言って……私のことをあんな風に抱き締めてくれて。
【――このことは俺とあなただけの秘密にしてくれ】
……そんな、聞きようによっては深い間柄だとも取られるような言葉が、いくつかの便箋の上に記されていて、私の心を激しく乱す。
(これ以上、見ちゃだめ……)
そう思ったのに、私は嫌な想像を否定するための証拠を探さずにはいられなくて。破れた便箋の切れ端を震える手で取り上げると、裏に回す。
そして息を詰めた。
【ゲルシュトナー領クラメーア街八番地 メレーナ・エルプセン】――宛先には書かれていたのは、明らかに、女性の名前で……。
「……ち、違う、よね」
私はそれをぽとりと取り落とすと、そんなはずないと繰り返しながら後ずさっていく。心臓が嫌な音を立て、どくどくと脈打つ。
だって、スレイバート様は、旅立つ前にこの指輪を私にくれたじゃない。ちゃんと帰って来るって言って……私のことをあんな風に抱き締めてくれて。