魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
「そう、見えますか……?」
するとラルフさんはからからと笑った。
「でなきゃ、そんなに悲しむはずねーじゃんか。それで好きじゃないってんなら、世の中の恋人なんて偽物ばっかだぜ。相思相愛で羨ましいこった」
そう言い切られてしまい、私は不思議な気持ちになる。
彼が見たところ……どうやら私はいつの間にかスレイバート様のことをちゃんと好きになれているらしい。少なくとも、それが周りにも伝わってしまうくらいには。
今まで……恋人としての好きという感情が、どんなものか理解できていなかったけれど。それは知らない間に心の中で育っていたらしく……それが滅茶苦茶に暴れ出したことで、あんな自分で自分を制御できないような状態に私を陥らせてしまったのか。
少し落ち着いた今なら意識できる。
側にいたくて、ずっと離れたくなくて……。彼が、誰かに気を惹かれるのが耐えがたく、それでいて私のことを気にしてくれていると、天にも昇るくらい嬉しくって。
するとラルフさんはからからと笑った。
「でなきゃ、そんなに悲しむはずねーじゃんか。それで好きじゃないってんなら、世の中の恋人なんて偽物ばっかだぜ。相思相愛で羨ましいこった」
そう言い切られてしまい、私は不思議な気持ちになる。
彼が見たところ……どうやら私はいつの間にかスレイバート様のことをちゃんと好きになれているらしい。少なくとも、それが周りにも伝わってしまうくらいには。
今まで……恋人としての好きという感情が、どんなものか理解できていなかったけれど。それは知らない間に心の中で育っていたらしく……それが滅茶苦茶に暴れ出したことで、あんな自分で自分を制御できないような状態に私を陥らせてしまったのか。
少し落ち着いた今なら意識できる。
側にいたくて、ずっと離れたくなくて……。彼が、誰かに気を惹かれるのが耐えがたく、それでいて私のことを気にしてくれていると、天にも昇るくらい嬉しくって。