魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
「オレ、あんたのことが好きなんだ」
「…………え?」
シンプルな――――――告白。
頭は理解を拒んで、嘆息が口から零れ、視線がそのままラルフさんの顔を中心に固定される。多分今、私の顔は今年一番の間抜け顔を晒していることだろう。生まれた感情が臨界点を突破して、頭が今、完全に思考能力を放棄している。
なにも言えず、口を丸く開け固まった私を、しばしラルフさんは真剣に見つめていたけれど……数秒立った後、その表情を気の抜けたものへと崩した。
「――っていつか言って、あのヤローの隣で勝負してやろうって思ってたんだけどな。やっぱ、無理だわ。あんたたちを見てると、そんな気無くしちまった。だってさ、あんたらふたりとも……一緒に居るとすげーいい感じだからさ」
ラルフさんはふひっと苦笑すると、ぽんぽんと私の肩を叩く。
「だから、大丈夫だよ。スレイバートは絶対にあんたのとこに帰って来るし、どこぞの女なんかどうせ見向きもしねーって俺が保証してやる。でもって、それで納得いかねーんだったらさ――」
「…………え?」
シンプルな――――――告白。
頭は理解を拒んで、嘆息が口から零れ、視線がそのままラルフさんの顔を中心に固定される。多分今、私の顔は今年一番の間抜け顔を晒していることだろう。生まれた感情が臨界点を突破して、頭が今、完全に思考能力を放棄している。
なにも言えず、口を丸く開け固まった私を、しばしラルフさんは真剣に見つめていたけれど……数秒立った後、その表情を気の抜けたものへと崩した。
「――っていつか言って、あのヤローの隣で勝負してやろうって思ってたんだけどな。やっぱ、無理だわ。あんたたちを見てると、そんな気無くしちまった。だってさ、あんたらふたりとも……一緒に居るとすげーいい感じだからさ」
ラルフさんはふひっと苦笑すると、ぽんぽんと私の肩を叩く。
「だから、大丈夫だよ。スレイバートは絶対にあんたのとこに帰って来るし、どこぞの女なんかどうせ見向きもしねーって俺が保証してやる。でもって、それで納得いかねーんだったらさ――」