魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
ラルフさんは立ち上がると、眩しい笑顔で私に向かって手を伸ばした。
「行ってみようぜ、あいつのとこ。そこまで俺があんたのことを守ってやるから。いいじゃんか、たまに疑って間違えたりするくらい。完璧なやつなんていねーんだから。それに知ってっか……男ってのは、女に我がまま言われてなんぼなんだぜ。だから、行ってあいつに直接文句ぶつけてやれ。他の女にうつつを抜かしてんな、自分がいるだろ、ってな!」
「で、でも……!」
まだ思考の整理が追い付かないけど……でもこんな真っ直ぐ私に想いを伝えてくれた人を利用するみたいに、これ以上なにかをさせるのは……。そう思った私の言葉を吹き飛ばすように、彼は熱く明るく語ってくれる。
「ああもうめんどくせえ! オレに迷惑かかるとか、スレイバートが怒るかもとかウダウダ考えてんじゃねーよ! たまにはなんにも考えず、気が向いたまま行動したっていいだろ! だって俺たち、まだまだほんのひよっこなんだぜ、失敗上等だ! ま、いつもんなことやってっと、オレみたいにバカバカって周りに叱られちまうけどな、ハハッ」
心配を簡単に笑い飛ばし、彼は私の腕を引っ張って立たせると、ぐっと握りこぶしを固めてみせた。
「行ってみようぜ、あいつのとこ。そこまで俺があんたのことを守ってやるから。いいじゃんか、たまに疑って間違えたりするくらい。完璧なやつなんていねーんだから。それに知ってっか……男ってのは、女に我がまま言われてなんぼなんだぜ。だから、行ってあいつに直接文句ぶつけてやれ。他の女にうつつを抜かしてんな、自分がいるだろ、ってな!」
「で、でも……!」
まだ思考の整理が追い付かないけど……でもこんな真っ直ぐ私に想いを伝えてくれた人を利用するみたいに、これ以上なにかをさせるのは……。そう思った私の言葉を吹き飛ばすように、彼は熱く明るく語ってくれる。
「ああもうめんどくせえ! オレに迷惑かかるとか、スレイバートが怒るかもとかウダウダ考えてんじゃねーよ! たまにはなんにも考えず、気が向いたまま行動したっていいだろ! だって俺たち、まだまだほんのひよっこなんだぜ、失敗上等だ! ま、いつもんなことやってっと、オレみたいにバカバカって周りに叱られちまうけどな、ハハッ」
心配を簡単に笑い飛ばし、彼は私の腕を引っ張って立たせると、ぐっと握りこぶしを固めてみせた。