魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
がたがたと……肩を揺らしながら神殿長はゆっくり振り返る。そこにいるのは、彼女の年齢の半分にも満たない、年端のいかぬ小娘にしかすぎない。だが……。
「かか、必ずや! 次にご報告に上がる際には、必ずヴェロニカ様がご満足される成果を、お耳に入れて見せます……!」
「ならいいわ。消えろ」
「し、失礼いたしましたッ!」
嫣然と微笑むヴェロニカを目にすると、まるで巨大な悪魔にでも睨みつけられたかのように顔を真っ青にして、神殿長は脱兎のように駆けていった。
それをさして面白くないように見送ると、ヴェロニカはぺろりと口を舐める。
「さあて……思ったより厄介なことになってきたかもしれないわね」
彼女はサイドテーブルに乗っていたワイン入りグラスの中身を飲み干すと、それを強く握り込んだ。
するとたちまちグラスは砕かれるのではなく、無数の黒い粉となって、ざっと床に崩れ落ちた。ヴェロニカはそれを苛立たし気に踏みつけると、思考を巡らす。
「かか、必ずや! 次にご報告に上がる際には、必ずヴェロニカ様がご満足される成果を、お耳に入れて見せます……!」
「ならいいわ。消えろ」
「し、失礼いたしましたッ!」
嫣然と微笑むヴェロニカを目にすると、まるで巨大な悪魔にでも睨みつけられたかのように顔を真っ青にして、神殿長は脱兎のように駆けていった。
それをさして面白くないように見送ると、ヴェロニカはぺろりと口を舐める。
「さあて……思ったより厄介なことになってきたかもしれないわね」
彼女はサイドテーブルに乗っていたワイン入りグラスの中身を飲み干すと、それを強く握り込んだ。
するとたちまちグラスは砕かれるのではなく、無数の黒い粉となって、ざっと床に崩れ落ちた。ヴェロニカはそれを苛立たし気に踏みつけると、思考を巡らす。