魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
スレイバート様は、すぐに彼女と接触を試みようと手紙を送ったが……すんなりとはいかなかった。相手から事情を聞き出す対価として、色々と条件を求められからだ。
そこで結果あのような返事を返すことになって……それが運命の悪戯で私の目に触れ、現在に至る……と。
「じゃあ、あくまでここに訊ねて来たのは、シルウィー様との結婚に余計な横槍を入れさせないためだ、って言うんだな?」
「当たり前だろ。それ以外に動く理由があるか。ちょっと考えりゃ分かることだろ、脳筋野郎」
「ぐっ、言い返せねぇ…………」
スレイバート様のラルフさんへの糾弾が矛先を変えてぐさっと突き刺さり、私も彼と同様、自分の浅はかさに頭を抱えた。
(私、なんにも考えてなかった……)
スレイバート様が母のことを調べさせたこと――それは考えてみれば公爵家として当然の行いである。貴族は血統を重んじる……その頂点にある公爵家が、みだりに卑賎な血を家柄に迎え入れることは許されないからだ。
つまり彼と結ばれるなら、私の出自が問題になることは明確で……。
そこで結果あのような返事を返すことになって……それが運命の悪戯で私の目に触れ、現在に至る……と。
「じゃあ、あくまでここに訊ねて来たのは、シルウィー様との結婚に余計な横槍を入れさせないためだ、って言うんだな?」
「当たり前だろ。それ以外に動く理由があるか。ちょっと考えりゃ分かることだろ、脳筋野郎」
「ぐっ、言い返せねぇ…………」
スレイバート様のラルフさんへの糾弾が矛先を変えてぐさっと突き刺さり、私も彼と同様、自分の浅はかさに頭を抱えた。
(私、なんにも考えてなかった……)
スレイバート様が母のことを調べさせたこと――それは考えてみれば公爵家として当然の行いである。貴族は血統を重んじる……その頂点にある公爵家が、みだりに卑賎な血を家柄に迎え入れることは許されないからだ。
つまり彼と結ばれるなら、私の出自が問題になることは明確で……。