魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
「マルグリットったら必要ないって首を振るばかりでね。喧嘩なんかもしたもんだけど、無理やり押し付けたりはできなかったよ。ふふ……ま、話を聞くばかりじゃその必要はなかったみたいだ。そりゃそっか。あの子は、生まれながらに魔法の使い方を知っていたんだもんね」
幼少期に、自分の数十倍もある魔物を倒していたことからも、彼女は天然ものの魔法士で、だからこそこの地に生きる精霊様に愛されていたんだろうと、メレーナさんは語る。
結局、メレーナさんは彼女を自分の後継として育てようとはせず、店の手伝いはさせていたけれど、魔力を使うような仕事はさせなかった。周りの人にも彼女が魔法が使えるということは伏せていたし、いつかどこかで普通の家庭にでも嫁にいって、幸せに暮らせばいいだろうと思っていたのだそうだ。
そしてお母さんも……そんなメレーナさんの気持ちを知っていたかのように、あえて自分の昔には触れずに、彼女を母親の様に慕ってくれたのだという。そんな姿はメレーナさんにとって心の支えになり、厳しい生活を乗り越える力となったようだ。
「結局一番助けられたのはあたしの方なのかもね……あの子との暮らしは大変だったけど、でもその時が一番楽しかったような気がする。マルグリットを引き取って数年もしたら生活も安定してきてさ、あたしもちったぁ街で名の通る魔女になって、頼ってくれる人もできてさ……。なにもかもが順調に思えてたんだ。でも……どんな物事にだって、終わりは付きものなんだ」
幼少期に、自分の数十倍もある魔物を倒していたことからも、彼女は天然ものの魔法士で、だからこそこの地に生きる精霊様に愛されていたんだろうと、メレーナさんは語る。
結局、メレーナさんは彼女を自分の後継として育てようとはせず、店の手伝いはさせていたけれど、魔力を使うような仕事はさせなかった。周りの人にも彼女が魔法が使えるということは伏せていたし、いつかどこかで普通の家庭にでも嫁にいって、幸せに暮らせばいいだろうと思っていたのだそうだ。
そしてお母さんも……そんなメレーナさんの気持ちを知っていたかのように、あえて自分の昔には触れずに、彼女を母親の様に慕ってくれたのだという。そんな姿はメレーナさんにとって心の支えになり、厳しい生活を乗り越える力となったようだ。
「結局一番助けられたのはあたしの方なのかもね……あの子との暮らしは大変だったけど、でもその時が一番楽しかったような気がする。マルグリットを引き取って数年もしたら生活も安定してきてさ、あたしもちったぁ街で名の通る魔女になって、頼ってくれる人もできてさ……。なにもかもが順調に思えてたんだ。でも……どんな物事にだって、終わりは付きものなんだ」