魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
「ま、待ってください!」
見過ごせないものが視界に入り、私はばっとそれに飛びついた。
「い、いきなりどうしたんだい?」
そんなことをした理由はひとつ。
仰々しい名前が付けられた、【精霊の祈り塩】と呼ばれたその塩袋の異変を今度こそ私は見逃さなかった。微かにだが、そこから、薄暗い呪いの魔力が漏れ出ていたのだ。
慌てて私はそれをひったくると、確かめるふりをして目を閉じ、祈る。
するとほんの数秒で呪いは私の中へと吸い込まれ……怪しい気配は袋から消え去った。
「ふう……も、もう使ってもらって大丈夫です。お手を止めさせてすみません……そ、その、これ私の大好きな塩で」
「あ、ああ……ならいいんだけどさ。塩にまでこだわりを持つたぁ、変な子だねぇ。そういうのも貴族の嗜みってやつなのかね?」
見過ごせないものが視界に入り、私はばっとそれに飛びついた。
「い、いきなりどうしたんだい?」
そんなことをした理由はひとつ。
仰々しい名前が付けられた、【精霊の祈り塩】と呼ばれたその塩袋の異変を今度こそ私は見逃さなかった。微かにだが、そこから、薄暗い呪いの魔力が漏れ出ていたのだ。
慌てて私はそれをひったくると、確かめるふりをして目を閉じ、祈る。
するとほんの数秒で呪いは私の中へと吸い込まれ……怪しい気配は袋から消え去った。
「ふう……も、もう使ってもらって大丈夫です。お手を止めさせてすみません……そ、その、これ私の大好きな塩で」
「あ、ああ……ならいいんだけどさ。塩にまでこだわりを持つたぁ、変な子だねぇ。そういうのも貴族の嗜みってやつなのかね?」