魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
冷や汗をたらりと流す私を不審そうに見た後、メレーナさんたちは顔を見合わせくすりと笑った。どうにか誤魔化すことができてよかったけれど……どうして、あんな調味料なんかに呪いが……?
他の食材にそんなものが掛けられている様子は見受けられず、私はほっとしながらも後でこのことはスレイバート様に報告しようと、しっかりとその袋を目に焼き付けた。
「ほらほら、ぼさっとしてんじゃないよ。ここにいるうちは誰でも平等に働いてもらうからね! シルウィー、そろそろ料理も仕上がるからどんどん運んで行っとくれ! 後茶の用意も!」
「はぁい!」
謎の呪いの正体は気にはなるが、今ここで結論は出そうにない。
その内にキッチンテーブルにどん、どんと置かれたメレーナさんお手製料理の食欲を誘う薫りが胃袋を捉え、まずはご飯だと、私は問題を先送りすることに決めたのだった。
他の食材にそんなものが掛けられている様子は見受けられず、私はほっとしながらも後でこのことはスレイバート様に報告しようと、しっかりとその袋を目に焼き付けた。
「ほらほら、ぼさっとしてんじゃないよ。ここにいるうちは誰でも平等に働いてもらうからね! シルウィー、そろそろ料理も仕上がるからどんどん運んで行っとくれ! 後茶の用意も!」
「はぁい!」
謎の呪いの正体は気にはなるが、今ここで結論は出そうにない。
その内にキッチンテーブルにどん、どんと置かれたメレーナさんお手製料理の食欲を誘う薫りが胃袋を捉え、まずはご飯だと、私は問題を先送りすることに決めたのだった。