魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
「あの……実は私、彼ともうすぐ式を挙げる予定なんです。まだ正式な日取りは決まっていないんですけど、もしよかったら、おふたりを招待させていただけませんか?」
交友関係は狭い私のこと、こうして結婚式に誰かを誘うなんて思ってもみなかった。でも、できることならば彼女たちにはぜひ、私たちの門出を祝って貰いたい。そして……ふたりが受け入れてくれるなら、今後も末永く付き合いを続けていきたい。
そんな想いで目の前の女性たちを見つめていると……。
「メレーナさん、ダ、ダメですよ……」「だってねぇ」
こちらの顔があまりに必死過ぎたのか――ふたりはくすくすと顔を合わせて笑い始めてしまった。そしてメレーナさんがぺんっと私の頭をはたく。
「ったく……断れるわけないじゃないかい。もちろんだよ、マルグリットの代わりにはなれやしないが、あたしでよかったらぜひ行かせておくれ。そんときゃ、院の子どもも総出でお邪魔してやろうじゃないか。まさか、あたしたちだけだなんてケチくさいこと言わないだろ、スレイバート?」
「ハッ、俺を誰だと思ってんだ、ガキどもなんざまとめて面倒見てやるよ。ただし、こっちの暮らしに慣れ過ぎて、ゲルシュトナー領に戻れなくなっても知んねーからな」
交友関係は狭い私のこと、こうして結婚式に誰かを誘うなんて思ってもみなかった。でも、できることならば彼女たちにはぜひ、私たちの門出を祝って貰いたい。そして……ふたりが受け入れてくれるなら、今後も末永く付き合いを続けていきたい。
そんな想いで目の前の女性たちを見つめていると……。
「メレーナさん、ダ、ダメですよ……」「だってねぇ」
こちらの顔があまりに必死過ぎたのか――ふたりはくすくすと顔を合わせて笑い始めてしまった。そしてメレーナさんがぺんっと私の頭をはたく。
「ったく……断れるわけないじゃないかい。もちろんだよ、マルグリットの代わりにはなれやしないが、あたしでよかったらぜひ行かせておくれ。そんときゃ、院の子どもも総出でお邪魔してやろうじゃないか。まさか、あたしたちだけだなんてケチくさいこと言わないだろ、スレイバート?」
「ハッ、俺を誰だと思ってんだ、ガキどもなんざまとめて面倒見てやるよ。ただし、こっちの暮らしに慣れ過ぎて、ゲルシュトナー領に戻れなくなっても知んねーからな」