魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
「あれ……」

 視線の先に、小さな雪のように白い花が咲いており、私たちはそれをひょいと避ける。すると、数歩先にもまた同じサイズの、黄色い花が。

 最初はどちらも爪の先くらいで可愛らしい花だなぁと思っていただけだったが、あまりにも等間隔かつ、交互にそれが生えているものだから……私は不審に思って首を捻った。

「おい、シルウィー」
「はい? あっ……」

 同時に、スレイバート様が私の首元をちょいと指差して、私はやっとその変化に気付いた。

 ほんのりとだが、首元の青いペンダントが光っていたのだ。
 この反応には覚えがある。もしかしてなにかを、私に知らせようとしている……?

『――ゆきなさい。すべては、その先に……』

 頭の中に、(かそ)けき囁きが聞こえた。
< 871 / 1,187 >

この作品をシェア

pagetop