魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
 そして前を見れば、先程の交互に咲いた花が、ずっと森の奥まで続いている。
 それは帰り道とずいぶん逸れていたが……私は気になってスレイバート様に訪ねた。

「後を辿ってみてもいいですか?」
「ここまで来て、何もないってのも気に食わねーしな。よし、行ってみようぜ」

 スレイバート様にも承諾をもらい、私たちは、点々と道の真ん中に咲いた花を見つけては、ひたすらに追っていった。そんな道行が半時も続き――。
 やがて私たちは、求めていた場所に誘われた。

 虹の川の様に咲き誇る色とりどりの花畑。左手には鏡のように清浄な湖、そして右手には……ぽっかりと洞の空いた、水晶交じりの大樹。

 まさしく、メレーナさんの話にあった場所だ。

 動物たちは、こちらを見つめているが、警戒はしていない。まるで私たちが彼らを襲いに来たのではないと、知っているかのように……。
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