魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
17.真実 -otherworld-
光球は、地面に座り込んでいた私に近づくと、広げた手のひらの中に留まった。
声質からして、なんとなく女性のように思えるが……そうだ、この存在は、私に質問をしていたのだ。それに答えないと。
「違うんです。私は、シルウィー・ハクスリンゲン。かつて、ここにいたという小さな少女……マルグリットと名付けられた子が産んだ、その子どもにあたるのです」
(そうでした……そんなはずはありませんでしたね。そうですか……あの時の子どもの、さらに子ども。理解しました。名前があるのならば……お前をその名で、シルウィーと呼ぶことにいたしましょう)
光は、まるで驚きを示すように何度もちかちかと点滅すると、頷くように上下に揺れた。
(しかし……ここによもや、また人間が訪れることになろうとは)
「あ、あれっ……スレイバート様はどこに?」
隣にいた彼を紹介しようと私は周りを見回すが、いつの間にかそこには誰もいなくなっている。疑問を示す私に対し、光はすぐに答えてくれた。
声質からして、なんとなく女性のように思えるが……そうだ、この存在は、私に質問をしていたのだ。それに答えないと。
「違うんです。私は、シルウィー・ハクスリンゲン。かつて、ここにいたという小さな少女……マルグリットと名付けられた子が産んだ、その子どもにあたるのです」
(そうでした……そんなはずはありませんでしたね。そうですか……あの時の子どもの、さらに子ども。理解しました。名前があるのならば……お前をその名で、シルウィーと呼ぶことにいたしましょう)
光は、まるで驚きを示すように何度もちかちかと点滅すると、頷くように上下に揺れた。
(しかし……ここによもや、また人間が訪れることになろうとは)
「あ、あれっ……スレイバート様はどこに?」
隣にいた彼を紹介しようと私は周りを見回すが、いつの間にかそこには誰もいなくなっている。疑問を示す私に対し、光はすぐに答えてくれた。