魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
 この――目の前の存在が言うことが確かならば、それらは……。

「母は……ずっとあなたの命令に従っていたんですか……?」

 ――息が詰まるような沈黙。

 それを私が肯定と取り、彼女にどう接すればいいのか、判断に迷いそうになった時。

「順を追って話しましょう。すべては、古き時にあったひとつの出来事に端を発している――」

 すべては、話を聞いてから。

 背筋を伸ばし、しっかりと光を見定めていると、彼女は私にすうーっと近づき、また額にその身体を沈み込ませる。

 すると、今度は逆に、彼女の中のイメージが流れ込んできた。

 それにより私に明かされたのは――。
 今からずっと前に生きていた……一組の、双子の少女たちのお話。
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