魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
「さあね。私たちができるのは、その、『くに』とかいうやつらが襲ってきた時のために、なんとか対抗できる力を整えることだけよ。それには、今よりもっと村人を増やして、大きな柵を作って、精霊様に供物を捧げ、より強いお力をお借りできるようにならなければ」
この大地には、様々な不思議な力を扱うことのできる人間がいる。それは精霊から賜りし力と信じられており、それを扱うことのできるものほとんどが、各村々でも重要な位置を占めている。
そして巫女の候補者となるにも、その力が不可欠。
「私は精霊様から賜ったお力も強いし、踊りの腕にも容姿にも自信がある。必ず歴代のうちで最高の巫女になって見せるわ。そうしたら周りの村も全部従わせて、そのくにの、おうさまとかいうやつらも全部蹴散らして、村の皆の暮らしを豊かにしてやる。必ずね」
「わあ、すごい……。お姉ちゃんならきっとできるよ!」
ベリカの言う通り、彼女の力は候補者たちの中でも飛びぬけていた。大人が十人がかりでないと囲めないような巨大な岩を、手も使わずに動かせるのは、この辺りでは彼女だけだ。一方で、数合わせとして候補者の中には入れられていたものの、シリルの力は、指先ほどの小石を動かすのがやっと。他の候補者も似たりよったりで、ほとんどの村人がベリカが次の巫女となることを疑っていない。
この大地には、様々な不思議な力を扱うことのできる人間がいる。それは精霊から賜りし力と信じられており、それを扱うことのできるものほとんどが、各村々でも重要な位置を占めている。
そして巫女の候補者となるにも、その力が不可欠。
「私は精霊様から賜ったお力も強いし、踊りの腕にも容姿にも自信がある。必ず歴代のうちで最高の巫女になって見せるわ。そうしたら周りの村も全部従わせて、そのくにの、おうさまとかいうやつらも全部蹴散らして、村の皆の暮らしを豊かにしてやる。必ずね」
「わあ、すごい……。お姉ちゃんならきっとできるよ!」
ベリカの言う通り、彼女の力は候補者たちの中でも飛びぬけていた。大人が十人がかりでないと囲めないような巨大な岩を、手も使わずに動かせるのは、この辺りでは彼女だけだ。一方で、数合わせとして候補者の中には入れられていたものの、シリルの力は、指先ほどの小石を動かすのがやっと。他の候補者も似たりよったりで、ほとんどの村人がベリカが次の巫女となることを疑っていない。