魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
 この時……確かにぴったりと寄り添っていたはずの自分と妹の心に、確かな亀裂が入ってしまったことを感じながら。



 村長と多くの村民が死んだことで、村は大きな悲しみに包まれたが、立ち直るのにそう時間を掛けてはいられなかった。

 再度の襲撃に備え、村は自分たちと同じように的に掛けられた付近の村々と結託する。それにより、強大となった村に対し、「くに」は再度の襲来を諦め、一時的に平穏が訪れた。

 だが……。

「お姉ちゃん! どうして最近、私のことを避けるの!?」
「…………」

 時間が経ち、復興した村でベリカは、ひとり孤立していた。

 そしてその反対に妹のシリルは、それからも精霊から賜った力で多くの人々を助け、巨大化した村の中心的存在になっていった。シリルは自らが癒し手となるだけでなく……精霊の声を聞くことで、力を使える者達の中で才能があるものを見つけて、癒しの力を引き出すことができたのだ。
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