魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
 一方で、シリルがその精霊教会に所属することはなかった。ベリカの変貌ぶりに心を痛めた彼女もまた、すぐに村を去っていったからだ。そして各地を放浪の末、ひとりの優しい男性と結ばれ血を残したが……その力をあからさまに示すことはせず、人知れず多くの人を助けていた彼女の存在も、長い歴史の影に埋もれていった。

 そして、版図を続々と広げていった『くに』は、いつしかラッフェンハイム帝国と名を改め、精霊教会を国教に置く、大陸でも有数の巨大国家へと成長していったのだ……。
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