魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
私は張り切って元気よく答えたつもりだ。なのにその柄でもない陽気さが違和感を抱かせたのか、スレイバート様はわずかに表情を曇らせ、私の顔を覗き込む。
「えっ、なにがでしょう?」
「……なんでもねー」
しかし、努めて何事もないように笑顔で答えたことで、スレイバート様は口を閉ざし、反対側の窓に視線を向けた。
――やはり、スレイバート様は鋭い。
実は、ひとつだけ私は彼に隠しごとをしたままなのだ。聖域で光の精霊に告げられた事実の中で、私と彼に関するとても重要なことを。
でも……多くのことが明かされ過ぎて、私の心がその事実を受け止めるには、もう少しだけ時間がかかりそうだ。だから今は……整理がつくまで待っていて欲しい。
「戻ったら、きっとクラウスさんがカンカンですね……」
「爵位と城が乗っ取られてなきゃいいけどな。門前払いされねーことを祈ろうぜ」
「えっ、なにがでしょう?」
「……なんでもねー」
しかし、努めて何事もないように笑顔で答えたことで、スレイバート様は口を閉ざし、反対側の窓に視線を向けた。
――やはり、スレイバート様は鋭い。
実は、ひとつだけ私は彼に隠しごとをしたままなのだ。聖域で光の精霊に告げられた事実の中で、私と彼に関するとても重要なことを。
でも……多くのことが明かされ過ぎて、私の心がその事実を受け止めるには、もう少しだけ時間がかかりそうだ。だから今は……整理がつくまで待っていて欲しい。
「戻ったら、きっとクラウスさんがカンカンですね……」
「爵位と城が乗っ取られてなきゃいいけどな。門前払いされねーことを祈ろうぜ」