魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
「そうしたら、一緒にどこかの街で新しい暮らしを始めましょうか」
「それも面白いかもな、ハハ」
軽い冗談をふたりで言い合いながら、私たちはお互いの指を絡めて握り合う。そうこうしている内にだんだんと道は整備されたものに代わり、目的地が近づくのを私たちに知らせた。
◆
ゲルシュトナー城。
ボースウィン城とはまた違った華やかさに満ちている、ラッフェンハイム帝国の五大名城にも数えられる荘厳な建築物だ。
薄黄色の建材で形作られた城壁や建物の頂きには、真紅の目立つ屋根が載せられていて、派手派手しくも美しい。
馬車から降りたスレイバート様が、それを見上げる私に向けて軽い説明をしてくれた。
「帝国北東部に位置するゲルシュトナー領は、東は海、南と西は自国の領土に囲まれていて、北に隣接するのも帝国に友好的な同盟国だ。建国以来一度も戦いを経験していない数少ない領地で、だからこそ、戦向けというよりかは対外的に帝国の裕福さを示す方向に寄っていった。そういう部分は、少し羨ましくもあるな」
「それも面白いかもな、ハハ」
軽い冗談をふたりで言い合いながら、私たちはお互いの指を絡めて握り合う。そうこうしている内にだんだんと道は整備されたものに代わり、目的地が近づくのを私たちに知らせた。
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ゲルシュトナー城。
ボースウィン城とはまた違った華やかさに満ちている、ラッフェンハイム帝国の五大名城にも数えられる荘厳な建築物だ。
薄黄色の建材で形作られた城壁や建物の頂きには、真紅の目立つ屋根が載せられていて、派手派手しくも美しい。
馬車から降りたスレイバート様が、それを見上げる私に向けて軽い説明をしてくれた。
「帝国北東部に位置するゲルシュトナー領は、東は海、南と西は自国の領土に囲まれていて、北に隣接するのも帝国に友好的な同盟国だ。建国以来一度も戦いを経験していない数少ない領地で、だからこそ、戦向けというよりかは対外的に帝国の裕福さを示す方向に寄っていった。そういう部分は、少し羨ましくもあるな」