魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
さすがに大公爵家や皇家に牙を剥くような話にはなっていないようなのだが、恨みつらみというのは蓄積してゆくもの。放置していれば大きな反乱となって多くの国民が傷付くこともありえる。
塩の件についてだけではなく、ゲルシュトナー公爵とは今後も帝国の先行きについて、長い時間をかけて話し合ってゆくべきだろうなとのスレイバート様の意見に、私も大きく頷いた。
予め来城の報せを送っていたため、軽く兵士たちに調べられただけで、私たちは城内へ続く大した傷のひとつも見えない豪奢な門を潜ることができた。
黄金塗りの柱の間に敷かれた真紅の分厚い絨毯を踏みしめながら歩いてゆくと、天井には緻密に描かれた彩色画が。空と海原……そして人魚や海の女神の絵画が川の流れの様に奥に続いていて思わず目を見張る。
ここは、領主の命を守る砦ではなく、完全に訪れた人々を魅了し、接待するための施設なのだ――ボースウィン城の落ち着いたたたずまいに慣れてしまった私からしたら、目がちかちかして仕方がない。
「成金趣味ってーのか、俺たちの感覚とは合わねーな」
スレイバート様も片眉をやや引くつかせ、小声で呟くと、私の耳に顔を近づけ、会見時の振る舞いにおいて指示してくれた。
塩の件についてだけではなく、ゲルシュトナー公爵とは今後も帝国の先行きについて、長い時間をかけて話し合ってゆくべきだろうなとのスレイバート様の意見に、私も大きく頷いた。
予め来城の報せを送っていたため、軽く兵士たちに調べられただけで、私たちは城内へ続く大した傷のひとつも見えない豪奢な門を潜ることができた。
黄金塗りの柱の間に敷かれた真紅の分厚い絨毯を踏みしめながら歩いてゆくと、天井には緻密に描かれた彩色画が。空と海原……そして人魚や海の女神の絵画が川の流れの様に奥に続いていて思わず目を見張る。
ここは、領主の命を守る砦ではなく、完全に訪れた人々を魅了し、接待するための施設なのだ――ボースウィン城の落ち着いたたたずまいに慣れてしまった私からしたら、目がちかちかして仕方がない。
「成金趣味ってーのか、俺たちの感覚とは合わねーな」
スレイバート様も片眉をやや引くつかせ、小声で呟くと、私の耳に顔を近づけ、会見時の振る舞いにおいて指示してくれた。