魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
しかしこうして話を聞いた感じでは、ゲルシュトナー公はとても信用できそうな人物には思えない。自領の利益のためだけに、他の国民は切り捨てても構わないと平気で言えるようなその考え方は、スレイバート様の治めるボースウィン領の運営方針とは相容れないものだろう。初対面で判断するのもよくないにしろ、私もあまりこの人のことは好きになれそうもなかった。
早めに話を切り上げるべきだと感じたか、スレイバート様は早々と今回の目的の方へ話の舵を切る。
「それで、バルテン殿。実はここにいるこのシルウィーこそが、今回のボースウィン復興の立役者でしてね」
「ほう?」
興味を持ったのか、ゲルシュトナー公の目がこちらへ鋭く細められる。そして主導権を握ったことを察したスレイバート様は、ここぞとばかりに私の存在をアピールしていった。
「実は長年患っていた病の正体は呪いで、それを解いてくれたのも彼女でした。それだけではなく、領内の邪悪な瘴気をことごとく祓い、治安を安定させてくれたのも彼女で、今ボースウィン領では聖女と呼ばれるほど、その功績は評価されているのですよ」
「ははぁなるほど、その力によって見事シルウィー嬢はスレイバート殿の婚約者の座を射止められたと! そんなお力があるのなら、ぜひ我が領地にもお力添えを願いたいものだ」
早めに話を切り上げるべきだと感じたか、スレイバート様は早々と今回の目的の方へ話の舵を切る。
「それで、バルテン殿。実はここにいるこのシルウィーこそが、今回のボースウィン復興の立役者でしてね」
「ほう?」
興味を持ったのか、ゲルシュトナー公の目がこちらへ鋭く細められる。そして主導権を握ったことを察したスレイバート様は、ここぞとばかりに私の存在をアピールしていった。
「実は長年患っていた病の正体は呪いで、それを解いてくれたのも彼女でした。それだけではなく、領内の邪悪な瘴気をことごとく祓い、治安を安定させてくれたのも彼女で、今ボースウィン領では聖女と呼ばれるほど、その功績は評価されているのですよ」
「ははぁなるほど、その力によって見事シルウィー嬢はスレイバート殿の婚約者の座を射止められたと! そんなお力があるのなら、ぜひ我が領地にもお力添えを願いたいものだ」