魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
彼らにゲルシュトナー公を引き渡すと、私たちは揃って両手を上げ、抵抗の意志がないことを示す。
「呪いのせいつっても、信じちゃくれねーんだろうな。俺達はこれ以上あんたらに危害を加えるつもりはねー。こうなったのも、正当防衛の結果だ。ってか、いきなり襲ってきたのは領主とあんたらの方だろうが。その辺り、思い出せることはねーのか?」
ぼやいたスレイバート様に、取り囲んだ兵士たちがうっと言葉を詰める。どうやら完全に意識を失っていたわけではなく、自分たちが何をしていたのか、うっすらと覚えはあるようだ。
「と……とにかく、城主が目覚めて事情を聞けるまで、しばらくの間拘留させていただきますぞ。よろしいですな?」
「好きにしろ。ただしこちとら公家の人間だ。丁重に扱ってもらえねーと後が怖いがな」
スレイバート様がいつも通り強気に振る舞うと、気圧された兵士たちの態度は、次第に懇願するようなものへと変わっていった。
「わ、我々の中から妙なものを追い出してくれたことに関しては感謝しております。監視は付けさせていただきますが、それ以外は自由にお過ごしいただくつもりですので、どうか」
「わかった。従ってやろう」
「呪いのせいつっても、信じちゃくれねーんだろうな。俺達はこれ以上あんたらに危害を加えるつもりはねー。こうなったのも、正当防衛の結果だ。ってか、いきなり襲ってきたのは領主とあんたらの方だろうが。その辺り、思い出せることはねーのか?」
ぼやいたスレイバート様に、取り囲んだ兵士たちがうっと言葉を詰める。どうやら完全に意識を失っていたわけではなく、自分たちが何をしていたのか、うっすらと覚えはあるようだ。
「と……とにかく、城主が目覚めて事情を聞けるまで、しばらくの間拘留させていただきますぞ。よろしいですな?」
「好きにしろ。ただしこちとら公家の人間だ。丁重に扱ってもらえねーと後が怖いがな」
スレイバート様がいつも通り強気に振る舞うと、気圧された兵士たちの態度は、次第に懇願するようなものへと変わっていった。
「わ、我々の中から妙なものを追い出してくれたことに関しては感謝しております。監視は付けさせていただきますが、それ以外は自由にお過ごしいただくつもりですので、どうか」
「わかった。従ってやろう」