魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
呪いが消えた今こうして向き合ってみると……昨日会った時に感じた見下すような雰囲気は消えており、人当たりのよさそうな貴公子といった印象に変わっていた。
もっとも――
「いやぁ……それにしてもあのような大勢の呪いを一瞬で解く魔法とは素晴らしい! きっと、噂を広めれば国中から、後ろ暗いことに手を染めて呪いに怯える貴族から依頼が殺到すること請け合い! どうですか、我が領地を広告塔に指名してもらえれば、シルウィー嬢の名声を世に広めて見せますが! もちろん、宣伝面での費用はきっちりいただきますがね……」
その守銭奴っぷりは、かけらも変わっていないようだったが……。
彼の営業から私を守るようにスレイバート様がズイと半身を乗り出すと、ゲルシュトナー公に睨みを利かせる。
「んなことより。あんたがこれまで自分の意志であんなもんを領地に広めてたんじゃないっていうなら、どうしてあんなことになったのか、説明してもらえるか? バルテン殿」
「おぉ……そうでした。仕方ありませんね、商談はまたの機会にいたしましょう」
もっとも――
「いやぁ……それにしてもあのような大勢の呪いを一瞬で解く魔法とは素晴らしい! きっと、噂を広めれば国中から、後ろ暗いことに手を染めて呪いに怯える貴族から依頼が殺到すること請け合い! どうですか、我が領地を広告塔に指名してもらえれば、シルウィー嬢の名声を世に広めて見せますが! もちろん、宣伝面での費用はきっちりいただきますがね……」
その守銭奴っぷりは、かけらも変わっていないようだったが……。
彼の営業から私を守るようにスレイバート様がズイと半身を乗り出すと、ゲルシュトナー公に睨みを利かせる。
「んなことより。あんたがこれまで自分の意志であんなもんを領地に広めてたんじゃないっていうなら、どうしてあんなことになったのか、説明してもらえるか? バルテン殿」
「おぉ……そうでした。仕方ありませんね、商談はまたの機会にいたしましょう」