魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
「うふふふふ……そのお誘い、あながち悪い気分にはなれませんわ……。失礼致しました。私は、ラッフェンハイム帝国の精霊教会に所属いたします巫女、ヴェロニカ・セレーニテ。しかし、今回はご挨拶のためではなく、あなた様を楽ませる話をお耳に入れようと参ったのです。この身などより、もっと陛下のご興味を引くであろうお話を……」
「ほう? いいだろう、聞かせてみよ」
言いながらも、コルネリアスの片手は玉座に立て掛けられた大剣の柄から離れていない。無礼があれば即抜き打たれ、女の胴体は枯れ枝のごとく叩き折られるだろう。
しかし、それをよく知るはずのヴェロニカに臆す気配はなく、にたりと笑いながら女王にひとつの提案を持ちかけた。
「陛下……かの帝国の英雄アルフリードの忘れ形見、スレイバートを」
「――口を慎め下郎が」
それは禁句であり、ごっ――と空気が唸った。
「貴様などに余の想いを測られたくはないわ」
鋼の板が妖しい巫女の鼻先にぴたりと据えられ、お喋りをやめさせる。
「ほう? いいだろう、聞かせてみよ」
言いながらも、コルネリアスの片手は玉座に立て掛けられた大剣の柄から離れていない。無礼があれば即抜き打たれ、女の胴体は枯れ枝のごとく叩き折られるだろう。
しかし、それをよく知るはずのヴェロニカに臆す気配はなく、にたりと笑いながら女王にひとつの提案を持ちかけた。
「陛下……かの帝国の英雄アルフリードの忘れ形見、スレイバートを」
「――口を慎め下郎が」
それは禁句であり、ごっ――と空気が唸った。
「貴様などに余の想いを測られたくはないわ」
鋼の板が妖しい巫女の鼻先にぴたりと据えられ、お喋りをやめさせる。