魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
だが……今はわずかにせよ心が浮き立ち、身体に力が漲ってくる。
あの男の息子――スレイバート。極北の英雄の名を継ぎし、冷酷な美貌と強き意志を併せ持つ若き勇者。噂では、死の縁から舞い戻り、父の遺した領地を見事に盛り立て、帝国を次なる時代に導こうとしているとか。
今は亡きアルフリードの面影が脳裏へと浮かんだ。
(スレイバート・ボースウィン。はたして……お前は余を満足させてくれるのかな?)
今度は、私が上の立場に立ち、やつを見定めてやる。あの男の息子が、本当にアルフリードを越えたのか。
コルネリアスは野獣のような金の双眸を見開くと、丸々と太った極上の獲物を見つけたかのように嬉し気に細め、枯れたはずの心がまた疼きだすのを歓迎した。
(~第五部へと続く~)
あの男の息子――スレイバート。極北の英雄の名を継ぎし、冷酷な美貌と強き意志を併せ持つ若き勇者。噂では、死の縁から舞い戻り、父の遺した領地を見事に盛り立て、帝国を次なる時代に導こうとしているとか。
今は亡きアルフリードの面影が脳裏へと浮かんだ。
(スレイバート・ボースウィン。はたして……お前は余を満足させてくれるのかな?)
今度は、私が上の立場に立ち、やつを見定めてやる。あの男の息子が、本当にアルフリードを越えたのか。
コルネリアスは野獣のような金の双眸を見開くと、丸々と太った極上の獲物を見つけたかのように嬉し気に細め、枯れたはずの心がまた疼きだすのを歓迎した。
(~第五部へと続く~)