魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
でも……そんな自信満々の彼の姿や、今後ハクスリンゲン家の扱いがどうなろうと妻にして見せるという意志を見せてもらったところで、どうしてもすべての不安を拭い去ることはできない。
私は彼に寄り添うと、その顔を泣きそうな気持ちで見上げた。
「わ、私も一緒に連れて行ってもらうことはできませんか……?」
「バーカ。戦場に自分の女を連れて行くやつがいるかよ。お前はここで、こいつらと一緒にしっかり俺の帰りを待っててくれ」
そう言って頬に手を添え、スレイバート様は私の額に軽くキスをする。
そんな様子を傍から見ていたクラウスさんが、苦笑しつつ口を挟んだ。
「おやおや……すっかり人目を気にされないほど仲睦まじくなられて。これは近々公爵家に新しい顔ぶれが期待できそうですな」
「うっせ。それよりおいクラウスてめー、今度こそはシルウィーに好き勝手させずちゃんと見張っとけよ。こいつのいざって時の行動力は侮れねえんだから」
そういえばそうだったと、クラウスさんは痛い所を突かれたと目を逸らし、私を情けない表情で見つめた。
「シルウィー様、本当に頼みますよ、私からこの仕事を取り上げられたらなにも残らないんですから。この年でまた一兵卒からやり直そうというのは年齢的にも辛いんですよ」
私は彼に寄り添うと、その顔を泣きそうな気持ちで見上げた。
「わ、私も一緒に連れて行ってもらうことはできませんか……?」
「バーカ。戦場に自分の女を連れて行くやつがいるかよ。お前はここで、こいつらと一緒にしっかり俺の帰りを待っててくれ」
そう言って頬に手を添え、スレイバート様は私の額に軽くキスをする。
そんな様子を傍から見ていたクラウスさんが、苦笑しつつ口を挟んだ。
「おやおや……すっかり人目を気にされないほど仲睦まじくなられて。これは近々公爵家に新しい顔ぶれが期待できそうですな」
「うっせ。それよりおいクラウスてめー、今度こそはシルウィーに好き勝手させずちゃんと見張っとけよ。こいつのいざって時の行動力は侮れねえんだから」
そういえばそうだったと、クラウスさんは痛い所を突かれたと目を逸らし、私を情けない表情で見つめた。
「シルウィー様、本当に頼みますよ、私からこの仕事を取り上げられたらなにも残らないんですから。この年でまた一兵卒からやり直そうというのは年齢的にも辛いんですよ」