魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
「出迎えありがとう、クラウス。でも、私たちばかり楽をしているわけにはいかないわ。各地から、なにか助けを求める声は届いていない?」
血筋からくる責任感が、その細い両肩に覆い被さっているのだろう。なにかあればこのまますぐにでも発ちそうな雰囲気の彼女を、クラウスさんは両手で押し止めることで宥めた。
「いえいえ、戦は意外と長く続くものです。ゆえに、貴重な癒しの力の使いどころは重要。その時に備え、しっかり万全に体調を整えておくのもあなた方の務めでありましょう。ここはどうか、私めの言葉をお聞き入れください」
……すると、テレサはいからせた肩を降ろしてふぅと息を吐き、クラウスに微笑みかけた。
「あなたの言うとおりね、わかったわ……。まだまだ余裕はあるけれど、私の焦りにお姉様まで付き合わすのもよくないもの。言う通りにしましょう」
「懸命なご判断かと」
手慣れた扱いでテレサを説き伏せたクラウスさんは軽い笑みを見せ、振り向いて背中側の城内を示した。
「それに……すでに頼もしい援軍が駆けつけてくださっておりますよ」
血筋からくる責任感が、その細い両肩に覆い被さっているのだろう。なにかあればこのまますぐにでも発ちそうな雰囲気の彼女を、クラウスさんは両手で押し止めることで宥めた。
「いえいえ、戦は意外と長く続くものです。ゆえに、貴重な癒しの力の使いどころは重要。その時に備え、しっかり万全に体調を整えておくのもあなた方の務めでありましょう。ここはどうか、私めの言葉をお聞き入れください」
……すると、テレサはいからせた肩を降ろしてふぅと息を吐き、クラウスに微笑みかけた。
「あなたの言うとおりね、わかったわ……。まだまだ余裕はあるけれど、私の焦りにお姉様まで付き合わすのもよくないもの。言う通りにしましょう」
「懸命なご判断かと」
手慣れた扱いでテレサを説き伏せたクラウスさんは軽い笑みを見せ、振り向いて背中側の城内を示した。
「それに……すでに頼もしい援軍が駆けつけてくださっておりますよ」