魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
エルマ様が来てくれて、テレサのことも安心して支えられる体制ができたということ。
でも、やはりスレイバート様の顔を見れない毎日を寂しく思っていること、などなど……。
左手の薬指に輝く濃淡がはっきり分かれたアメジストの輝きに見入りつつ、彼のことを思い出す。もう夕方近いが、彼も本日の戦を乗り越えほっと胸を撫で下ろしている頃だろうか。
「――――――っ。もう、こんな時間……」
外から入り込んだ風が、ひゅる――と首筋を撫で。その異様な冷たさに開いていた窓を閉めようと振り向いたところで、私は動きを止めた。
「……なぜ」
「ふふ……ずいぶんといい暮らしをしているのね。美しい公爵の寵愛を受け、大勢の人に慕われて……」
窓枠に座り微笑んでいる、黒いローブを纏った女性。その姿を見て私は直感する。
同時に、彼女も隠すつもりはないのか、ばさりとフードをどけて見せた。
でも、やはりスレイバート様の顔を見れない毎日を寂しく思っていること、などなど……。
左手の薬指に輝く濃淡がはっきり分かれたアメジストの輝きに見入りつつ、彼のことを思い出す。もう夕方近いが、彼も本日の戦を乗り越えほっと胸を撫で下ろしている頃だろうか。
「――――――っ。もう、こんな時間……」
外から入り込んだ風が、ひゅる――と首筋を撫で。その異様な冷たさに開いていた窓を閉めようと振り向いたところで、私は動きを止めた。
「……なぜ」
「ふふ……ずいぶんといい暮らしをしているのね。美しい公爵の寵愛を受け、大勢の人に慕われて……」
窓枠に座り微笑んでいる、黒いローブを纏った女性。その姿を見て私は直感する。
同時に、彼女も隠すつもりはないのか、ばさりとフードをどけて見せた。