魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
『……フフフフフ、王都でお待ちしているわ。そこで、知りたいことを全部教えてあげる。長きに渡る争いの決着をつけましょう……シルウィー・ハクスリンゲン、そして同族たち』
そうして、妖しい高笑いを響かせながら、ヴェロニカは夕暮れ空へと姿を消していった。私はその場にペタンと座り込むと、指先に触った黒い封筒を引き寄せ――取り出した手紙に目を走らせる……。
そして――その翌日。
私の姿は城外にあり、小高い丘からボースウィン城を視野に入れ、これまでの感謝を告げた。
「行かなきゃ……。今までありがとう、皆」
王都でなにが待つのかは分からない……しかし、手紙の恐るべき内容はヴェロニカの思惑通りに私の心を絡め取った。
私は孤独の心細さを久しぶりに噛み締めると、静かに丘を降りてゆく。
せっかく、私を悲劇から遠ざけようとしてくれたのに……。
そうして、妖しい高笑いを響かせながら、ヴェロニカは夕暮れ空へと姿を消していった。私はその場にペタンと座り込むと、指先に触った黒い封筒を引き寄せ――取り出した手紙に目を走らせる……。
そして――その翌日。
私の姿は城外にあり、小高い丘からボースウィン城を視野に入れ、これまでの感謝を告げた。
「行かなきゃ……。今までありがとう、皆」
王都でなにが待つのかは分からない……しかし、手紙の恐るべき内容はヴェロニカの思惑通りに私の心を絡め取った。
私は孤独の心細さを久しぶりに噛み締めると、静かに丘を降りてゆく。
せっかく、私を悲劇から遠ざけようとしてくれたのに……。