明治女子、現代で御曹司と契約結婚いたします
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「……この道の曲がり方、見たことあるかも」
やや細く、入り組んだ町並みになっていくと澪はそんなことを言い出した。
「畑中さんのあたりじゃない? 子どもの頃みっちゃんと治郎さんとよく遊んだわ。ほら、ミケちゃんを飼ってたおうち」
「みゃん!」
白玉も目を輝かせる。そのミケとも恋仲だったのかもしれない。桐吾が見回すと近くに「畑中」の表札があった。
「当たりだな」
澪も表札に気づいた。代々暮らしをつなげてきた村人もいると知り、パアッと笑顔になる。ここはやはり澪が生きていた村――の百五十年後なのだ。
「じゃあ私が住んでた家はどうなってるのかしら」
「森沢家は……久世の屋敷になって、昭和までは改築しながらあったはずだ。だが久世の一族がほとんど町を出てしまって取り壊したらしい。敷地の広さを活かして大規模老人ホームになってる」
「ろうじんほーむ」
「……体に不安があるご老人が集まって、生活の手伝いをしてくれる人に見守られながら暮らす場所だ」
「ふうん」
澪はコテンと首をかしげた。よくわからない。
でもきっと、たくさんの人が安心していられるように作られたものなのだろう。家がもうないのは寂しいが、土地が役に立っているならそれでいいのかもしれない。
「どの家も、建て替えられているものね……仕方ないわ」
「見に行くか?」
「……ううん。まず池を確認してもいい?」
「澪が平気なら」
「だいじょうぶ」
変わらないものがあるのなら、それを見てみたい。
「……この道の曲がり方、見たことあるかも」
やや細く、入り組んだ町並みになっていくと澪はそんなことを言い出した。
「畑中さんのあたりじゃない? 子どもの頃みっちゃんと治郎さんとよく遊んだわ。ほら、ミケちゃんを飼ってたおうち」
「みゃん!」
白玉も目を輝かせる。そのミケとも恋仲だったのかもしれない。桐吾が見回すと近くに「畑中」の表札があった。
「当たりだな」
澪も表札に気づいた。代々暮らしをつなげてきた村人もいると知り、パアッと笑顔になる。ここはやはり澪が生きていた村――の百五十年後なのだ。
「じゃあ私が住んでた家はどうなってるのかしら」
「森沢家は……久世の屋敷になって、昭和までは改築しながらあったはずだ。だが久世の一族がほとんど町を出てしまって取り壊したらしい。敷地の広さを活かして大規模老人ホームになってる」
「ろうじんほーむ」
「……体に不安があるご老人が集まって、生活の手伝いをしてくれる人に見守られながら暮らす場所だ」
「ふうん」
澪はコテンと首をかしげた。よくわからない。
でもきっと、たくさんの人が安心していられるように作られたものなのだろう。家がもうないのは寂しいが、土地が役に立っているならそれでいいのかもしれない。
「どの家も、建て替えられているものね……仕方ないわ」
「見に行くか?」
「……ううん。まず池を確認してもいい?」
「澪が平気なら」
「だいじょうぶ」
変わらないものがあるのなら、それを見てみたい。