明治女子、現代で御曹司と契約結婚いたします
本気の怒りを招いたと知り、向日葵は背すじを伸ばし頭を下げる。
「――失礼。それだけ大切になさっているのね。骨身に染みましたわ」
「では今回はご縁がなかったということで、明日のお約束はもう」
「そうですわね、席を設けても無駄だとわかりました――ですけど」
向日葵の瞳がキランと光る。
「わたくしは結婚を真剣に考えておりましたのよ? 対して久世の側は見合いの前提を満たしていなかった……これはなんらかのペナルティに値しませんかしら」
懲りないビジネスマン・向日葵はこうなっても桐吾から何かを引き出そうとしているらしい。いいかげんにしてくれ、と桐吾は冷たい視線を送った。
「――値しませんよ」
「まあ、それは何故?」
「あなたにも瑕疵がある。見合いするなら相手は通常の夫婦関係を期待して来るのが当然なのに、あなたはそれに応える気がまったくなかった。たまたまこっちの状況がこうだったにすぎない」
「嫌ですわ手厳しい――あなたとなら峰ヶ根の開発事業が楽しくできるかと思っていましたのに」
「峰ヶ根?」
言葉を発したのは澪だった。むせて以来ずっと黙って聞いていたのは、桐吾と向日葵の応酬が難しい内容だったから。でも今は思わず反応してしまった。
「――失礼。それだけ大切になさっているのね。骨身に染みましたわ」
「では今回はご縁がなかったということで、明日のお約束はもう」
「そうですわね、席を設けても無駄だとわかりました――ですけど」
向日葵の瞳がキランと光る。
「わたくしは結婚を真剣に考えておりましたのよ? 対して久世の側は見合いの前提を満たしていなかった……これはなんらかのペナルティに値しませんかしら」
懲りないビジネスマン・向日葵はこうなっても桐吾から何かを引き出そうとしているらしい。いいかげんにしてくれ、と桐吾は冷たい視線を送った。
「――値しませんよ」
「まあ、それは何故?」
「あなたにも瑕疵がある。見合いするなら相手は通常の夫婦関係を期待して来るのが当然なのに、あなたはそれに応える気がまったくなかった。たまたまこっちの状況がこうだったにすぎない」
「嫌ですわ手厳しい――あなたとなら峰ヶ根の開発事業が楽しくできるかと思っていましたのに」
「峰ヶ根?」
言葉を発したのは澪だった。むせて以来ずっと黙って聞いていたのは、桐吾と向日葵の応酬が難しい内容だったから。でも今は思わず反応してしまった。