あやまちは、あなたの腕の中で〜お見合い相手と結婚したくないので、純潔はあなたに捧げます〜
山を降りたひなと慶一郎は、嘉一と女将に青蓮草のことを伝えた。
まだ胸の高鳴りが収まらないまま、青蓮草──いや、この地域で「青菜菊」と呼ばれる花が、いかに貴重な薬草であるかを、ふたりに真剣な面持ちで説明する。
話を聞き終えた女将は一瞬きょとんとしたあと、なんでもないことのように、けらけらと笑った。
「そんなもん、勝手に生えてるんやから、勝手に持ってってもろたらええのに」
あっけらかんとした様子に、慶一郎も思わず肩の力が抜けたように小さく笑う。だが、ひなはまっすぐに首を横に振った。
「そういうわけにはいきません。あの植物は、私にとって……いえ、多くの人を救うかもしれない、貴重な薬草なんです」
ひなの瞳に浮かぶ決意に、女将は少し驚いたように瞬きをした。
それから、にっと唇の端を上げ、手を腰にあててうなずいた。
「そんなら……そうやな。ひなちゃんの薬が売れて、余裕ができたらその時に考えてくれたらええわ。最初は、なにかとお金もかかるやろうしな」
ひなの想いを汲み取るように、嘉一もうなずく。
「必要なもんがある時は、また言うてな。山のことなら、ワシが面倒見とくわ」
その温かい言葉に、ひなは胸がいっぱいになった。
諦めかけていた青蓮草が、まさかこんな形で見つかるとは。
ひなはすぐに、慶一郎のために塗り薬の調合を始めた。
そして、慶一郎の療養が明ける頃には、ひなも共に帝都へと戻ることになるのだった。
まだ胸の高鳴りが収まらないまま、青蓮草──いや、この地域で「青菜菊」と呼ばれる花が、いかに貴重な薬草であるかを、ふたりに真剣な面持ちで説明する。
話を聞き終えた女将は一瞬きょとんとしたあと、なんでもないことのように、けらけらと笑った。
「そんなもん、勝手に生えてるんやから、勝手に持ってってもろたらええのに」
あっけらかんとした様子に、慶一郎も思わず肩の力が抜けたように小さく笑う。だが、ひなはまっすぐに首を横に振った。
「そういうわけにはいきません。あの植物は、私にとって……いえ、多くの人を救うかもしれない、貴重な薬草なんです」
ひなの瞳に浮かぶ決意に、女将は少し驚いたように瞬きをした。
それから、にっと唇の端を上げ、手を腰にあててうなずいた。
「そんなら……そうやな。ひなちゃんの薬が売れて、余裕ができたらその時に考えてくれたらええわ。最初は、なにかとお金もかかるやろうしな」
ひなの想いを汲み取るように、嘉一もうなずく。
「必要なもんがある時は、また言うてな。山のことなら、ワシが面倒見とくわ」
その温かい言葉に、ひなは胸がいっぱいになった。
諦めかけていた青蓮草が、まさかこんな形で見つかるとは。
ひなはすぐに、慶一郎のために塗り薬の調合を始めた。
そして、慶一郎の療養が明ける頃には、ひなも共に帝都へと戻ることになるのだった。