大好きなお姉さまが悪役令嬢?!処刑回避のためにひきこもったら、隣国の王子に狙われているようです?2
「へへ。お姉さま、お誕生日おめでとうございます」
 セシリアの言葉が合図となり、その場にいたすべての人が口々に「おめでとう」と声をかける。
「エレノア様」
 一歩、前に踏み出たのはキャシーだ。両腕で抱えてやっとの大きな花束を手にしている。
「お誕生日、おめでとうございます。これは、教会のみんなから」
 なかなか花束を受け取ろうとしないエレノアに「お姉さま?」とセシリアが声をかける。
「あ、ごめんなさい。突然のことで、驚いて……ありがとう、嬉しいわ」
 エレノアのその言葉は社交辞令ではない。目尻にほのかに光る涙をエレノアは見逃さなかった。
「お姉さま。こちらに来てください。みんなで準備したんです」
「みんな? 準備……?」
 その言葉だけで、この誕生日が念入りに計画されたものだとエレノアも気がついたようだ。
「どうして事前に教えてくれないのよ」
 エレノアはぷんぷんと頬を膨らませる。だけどそれが照れ隠しだということを、セシリアはまるっとお見通しである。
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