私の年下メガネくん
「行こっか。駅ビルにお店があるみたい」
「ありがとうございます」
 彼が軽く頭を下げる。

 一緒にエスカレーターで上がり、メガネショップに到着する。
 ずらりと並べられたメガネ。
 今まで気にしたことがなかった。四角っぽいものが多いが、丸や八角形もある。太ぶち、細ぶち、色も豊富だ。

「こんなに種類があるんだね」
「そうですね」
「いらっしゃいませ。気になったものはどうぞお試しください」
 にこやかな店員に会釈を返し、彼と一緒にメガネを見る。

「どんなのが好きなの?」
「特にないです」
 ばさっと打ち切られ、楓子は言葉を続けられない。
 黙って彼について店内を歩くが、彼はセルフレームを見ると店を出てしまった。

「気に入るの、なかった?」
「……そうですね」
 そっぽを向く彼に、楓子はため息をつきそうになった。
 少しはデートっぽくなるかな、なんて期待していた。
 が、現実はかくも無残だ。

「……花蔵さん、休憩しますか?」
「大丈夫だよ」
 答えてから、はっとした。
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