私の年下メガネくん
「風屋くんが疲れたのかな。上にカフェがあるよ」
葵はためらうように首を傾げ、それから、はい、と頷いた。
上階のカフェで向かいあって座り、水とおしぼりを持ってきた店員に、ふたりともホットコーヒーを頼んだ。
コーヒーが届くと、楓子は砂糖とミルクを入れた。が、彼はブラックのまま口にする。
「あち!」
一口飲んだ彼は慌ててカップを離し、暴れたコーヒーがばしゃっとこぼれて服を汚した。
「うわ!」
「大丈夫!?」
楓子は自分のおしぼりを彼に渡し、店員を呼びに行った。店員がタオルを持って来てくれて、彼はそれで服を拭う。
コーヒーは店員が淹れ直してくれて、あらたに彼の前に置かれた。
が、葵は手を出さずにうなだれている。シャツは茶色に染まり、もう落ちそうにない。
楓子はどう声をかけていいかわからなかった。下手なことを言えば彼のプライドを壊してしまいそうで、かといって沈黙にも耐えがたい。
どうしようかな、とカップの持ち手を指でなぞったときだった。
「すみません、花蔵さん」
しゅんとしおれた葵の謝罪が届いた。
「すごく緊張してて。花蔵さんがきれいなのに、俺はぜんぜんだから……」
楓子は耳を疑った。
きれい? 私が?
驚いていると、彼は決意を固めたように楓子を見た。
「よかったら服を選んでくれませんか。このままじゃ電車に乗れません」
楓子は目をしばたたいた。
葵はためらうように首を傾げ、それから、はい、と頷いた。
上階のカフェで向かいあって座り、水とおしぼりを持ってきた店員に、ふたりともホットコーヒーを頼んだ。
コーヒーが届くと、楓子は砂糖とミルクを入れた。が、彼はブラックのまま口にする。
「あち!」
一口飲んだ彼は慌ててカップを離し、暴れたコーヒーがばしゃっとこぼれて服を汚した。
「うわ!」
「大丈夫!?」
楓子は自分のおしぼりを彼に渡し、店員を呼びに行った。店員がタオルを持って来てくれて、彼はそれで服を拭う。
コーヒーは店員が淹れ直してくれて、あらたに彼の前に置かれた。
が、葵は手を出さずにうなだれている。シャツは茶色に染まり、もう落ちそうにない。
楓子はどう声をかけていいかわからなかった。下手なことを言えば彼のプライドを壊してしまいそうで、かといって沈黙にも耐えがたい。
どうしようかな、とカップの持ち手を指でなぞったときだった。
「すみません、花蔵さん」
しゅんとしおれた葵の謝罪が届いた。
「すごく緊張してて。花蔵さんがきれいなのに、俺はぜんぜんだから……」
楓子は耳を疑った。
きれい? 私が?
驚いていると、彼は決意を固めたように楓子を見た。
「よかったら服を選んでくれませんか。このままじゃ電車に乗れません」
楓子は目をしばたたいた。