双子パパになった不屈の自衛官は飽くなき愛で純真ママを取り戻す
好意を伝えてもいいんだと思うと、言葉がうまくまとまらない。伝えたいことはもっとあるのに、なんだか違う。
「もうすぐ今日が終わっちゃうと思うと、寂しくて」
握っている手に砂羽さんが指を絡めてくる。
より一層しっかり繋がれた手に顔を上げると、どこかこれまでとは違う熱い眼差しを向けられていた。
「俺も同じ。できれば、今晩はあなたを帰したくない」
互いの気持ちが通じ合うと、そこからなにかを相談する必要はなかった。
砂羽さんは「ちょっと待ってて」と、ひとり席を立つ。
数分後に戻ってくると、私に手を差し伸べる。その手を取り立ち上がった私の耳元に背を屈め近づいた。
「ふたりきりになりたい」
さっきから暴走を始めた鼓動に落ち着く気配はまったくなく、むしろますます乱れて加速する。
私のコートを片手に、空いているほうの手が背中に添えられる。
そのままラウンジをあとにし、砂羽さんはエレベーターホールへと入っていった。
乗り込んだエレベーターで向かう先は十七階。
訊かなくても、今晩はここで一緒に過ごすのだとわかる。
あっという間に上昇したエレベーターが目的階で扉を開ける。誘導するように肩を抱かれて客室へと到着した。