双子パパになった不屈の自衛官は飽くなき愛で純真ママを取り戻す


「希穂、お湯沸かし始めてくれる。もうみんなお腹空いてきてるだろうから、そば出しちゃおうと思って」

「はーい」

 母からの指示を受け、鍋に水を用意する。

「ちょっとー、なにスマホ見ながらにこにこしてたの。いよいよ彼氏でもできた?」

「えっ」


 鍋に蓋をして、その横で作った巻き寿司を切り始めた姉がにやにやしながら訊く。

 あからさまに動揺を露わにした私を見て「え、正解?」と目を大きくした。

 実家を出て東京に行き働き出しても、家族にお付き合いをしている人ができたなど報告した経験は一度もない。

 だから姉も〝いよいよ〟なんて言うのだ。

 今回の帰省時に、母と姉には報告ができたらいいなと思っていた。勇信さんが将来を見据えてお付き合いしたいと言ってくれたからだ。


「実は、最近なんだけど……」

「えっ、ほんとに!?」


 切り出すと、姉は巻き寿司を切る手を止めて私を見る。黙って海老の天ぷらを揚げていた母も私に視線を寄越した。


「希穂から彼の話を聞くのは初めてね」

 母も微笑を浮かべる。

「相手はどんな人なの? 歳は?」

 姉が食いつくように質問をしてきて、どこから話そうかと頭を整理した。

< 108 / 201 >

この作品をシェア

pagetop