双子パパになった不屈の自衛官は飽くなき愛で純真ママを取り戻す
診察を終え、看護師のほうから産婦人科を紹介すると言われて紹介状を受け取り、クリニックをあとにした。
そのまま電車に乗り、いつも通り自宅のアパートへと帰る。
その間、いつもならスマートフォンでドラマを観たり、小説や漫画を読んだりして時間を過ごすものの、今日はただただぼんやりしているだけだった。
それでもなんとか降車駅は逃さず下車し、アパートへと帰っていった。
「……あ、スーパー」
部屋に着いてバッグを置き、床に座り込んで数十秒。しんとした部屋の中にぽつりと独り言が落ちた。
今日はクリニックに行くために半休を取って普段より早く帰れるから、帰りにスーパーに寄って夕飯は食べたいものをしっかり作ろうと楽しみにしていた。
それなのに、そんな予定も頭からすっ飛んで真っ直ぐ帰宅している。
もうまともに思考が働かなくなっている状態だ。
ふと、眼下に腹部を見る。
本当に妊娠なんてしているのか、病院で診断されても未だに信じられない。
それが事実なら、父親は勇信さんだ。
でも、こういう間違いが起きないように、彼は私を気遣ってくれていたはず。避妊は百パーセント完璧ではないと聞いたことはあるけれど、まさか、そのわずかな確率で妊娠してしまったというのか。
彼の子を身ごもっているなんて……しかも、双子だと言われた……。