双子パパになった不屈の自衛官は飽くなき愛で純真ママを取り戻す


 姉に打ち明けた日のその週末。私は急遽実家へと帰省した。

 電話でできる話じゃない。一度帰ってきなと姉に言われた。

 当たり前だ。結婚もしていない、ましてや、少し前に付き合っていた相手と別れたばかり。

 そんな状況の中での妊娠発覚。ただ事ではない。

 私自身ですら、未だ状況が呑み込めていないのだから……。

 実家に帰る高速バスの中で、クリニックでもらった超音波検査の写真を手に取った。

 双子だと言われた画像は、黒く抜けて映るひとつの袋の中にふたつの白い影が映っている。

 クリニックの女医は、ひとつの袋の中でこうして育つ双子は一卵性双生児だと話していた。

 今になってやっと、お腹の中で着実に成長している命を自覚し始める。

 ただじっとエコー写真を見つめ、今もまだ忘れることのできない勇信さんを思い出していた。

 高速バスの停留所には姉が車で迎えに来てくれていた。

 会って車に乗り込むなり、「大丈夫?」と気にかけてくれる。


「ありがとう、迎えにまで来てくれて」

「妊娠初期なんだから、あんまり無理しないほうがいいでしょ」


 もう妊婦として気遣ってもらい、どう返事をしたらいいのかわからない。

 ただ「ありがとう」と言うので精一杯だった。

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