双子パパになった不屈の自衛官は飽くなき愛で純真ママを取り戻す
車の中では込み入った話は一切出ず、いつも通りの他愛ない話しかしなかった。
土曜日で、陽太はサッカーに行っていて、妃花は友達と出かけているとか、そんな子どもたちの話題。
特別、姉の態度が違っていたりしなかったのが救いだった。
でも、母に会うのはそれなりに緊張していた。
「おかえり」
玄関を入ると、母は玄関先まで出迎えに出てきた。その場で怒鳴るようなこともなく、かといって落ち着かない様子もなく、いつも通りの母だった。
姉の子どもたちが外出中の土曜日の昼間は、家の中も大人だけの静かな空間。
そのリビングに三人で腰を落ち着ける。
「妊娠したっていうのは、本当なの」
母は単刀直入に切り出す。
「相手は、付き合ってた自衛官の人?」
母と姉からの視線を受け、一度こくりと頷く。
「そのあとには、誰とも付き合ってないから」
変な誤解を生まないようにはっきり言い切ると、母は「じゃあ」とすぐに続いた。
「その彼には、現状知らせたってことよね?」
「ううん」
私の答えにふたりは揃って〝えっ?〟という表情を浮かべた。
「え、待って、相手は知らないってことなの?」
姉は驚いた顔のまま追及する。
妊娠がわかり、たとえ別れた相手でも状況は知らせたとふたりは思っていたのだろう。