双子パパになった不屈の自衛官は飽くなき愛で純真ママを取り戻す
「別れてすぐ、連絡先は消したから、私からも向こうからも、もう連絡はつかない状況だから」
「えぇっ、嘘でしょ? じゃあどうするのよ? どう転んだって相手には知ってもらわないといけないことだし」
動揺のあまり早口になる姉へ、母が「千帆」と声をかける。
「じゃあ、相手の人には知らせられないのね。所属している駐屯地に出向くのは」
母からの提案には、即答するように首を横に振る。
連絡が取れなくても、押しかけてまでこの事実を伝えようとはどう考えても思えなかった。
「今、どこにいるかもわからないし……それに、そこまでして知らせようと思ってないから」
「でも、たとえば堕胎するにしても、出産するにしても、お金だってかかわるわ。それも自分で全部負担してというのは──」
「それも、自分で調べてみた。貯金もしてきてるし、働けるギリギリまで仕事もする。出産後も、すぐに仕事復帰してやっていく覚悟もできてる」
そこまで話すと姉は「産む気なの!?」とまたリビングに声を響かせた。
母も姉も、別れた彼との間にできていた子を、まさか産むという決断を私がするとは思っていなかったのかもしれない。
はじめはお腹に命が宿っていることすら信じられなかった。
でも、エコー写真に映るたしかなふたつの命を、私の都合で終わらせるなんてどうしたって考えられなかった。