双子パパになった不屈の自衛官は飽くなき愛で純真ママを取り戻す
「最後に会ったあの日……俺は、君に別れ話をしたつもりはない」
「え……?」
どういう意味かわからず、訊き返すこともできない。そんな私に、勇信さんは目も逸らさず口を開いた。
「あれからすぐ、インドネシアに任務で向かった。半年ほどで帰国し、真っ先に連絡をしたけど一向に連絡がつかなくて、君の住んでいた住まいも訪れてみたけど、すでに引き払ったあとだった」
「ひとり暮らししていた、アパートに……?」
「もう一度、会って気持ちを伝えたかったから」
今でもはっきり覚えている。
年明けに海外派遣の話をされ、事実上別れるような形になった。
それから少しして、陸と海を妊娠していることが発覚し、仕事は四月いっぱいで休職し五月の大型連休には実家に帰ったのだ。
半年ほどで帰国したのなら、私が部屋を引き払って出ていったすぐ後になる。
まさか、勇信さんが私に会いに来てくれていたなんて……。
「離れた間、希穂のことを忘れた日なんて一度もなかった」
彼の目を見れば、適当な嘘を言っているわけではないとすぐにわかった。
だからこそ、どう応えたらいいのかわからない。
素直に自分の思いを伝えることはエゴだと、苦しみながらも封じ込めた。当時を思い返すと胸が締め付けられていく。