双子パパになった不屈の自衛官は飽くなき愛で純真ママを取り戻す
「ご挨拶が……大変遅れました」
勇信さんのその言葉には、離れていたこの数年への重みも感じられる。
母はそんな勇信さんを真っ直ぐ見つめていた。
「当時、希穂から話は聞いていました。ご事情があったかと思います。私も、交際を反対した身ですから、あなたたちの関係に少なからず影響を与えてしまったのは確かです」
「いえ。希穂さんから。ご両親のことはうかがっていました。お母様の意見は、当然のことだと思います」
交わされる言葉を黙って聞いていると、玄関の奥から「ママー、はけない」と片方の靴下を持った陸がかけてくる。
「かいもー」
「ふたりとも、ここに座って」
後方の会話を気に掛けつつ、ふたりの靴下を履かせていく。
「今日は、希穂さんと子どもたちをお預かりさせていただきます。後日、また改めてご挨拶に伺わせていただきたく思います」
ふたりが靴を履き始めると、勇信さんは母に改めて訪問する旨を伺う。母は「わかりました」と承諾した。
「いってらっしゃい」
「はい、行ってきます」
陸と海も「ばーば、いってきます!」と見送る母に元気よく声を上げた。