双子パパになった不屈の自衛官は飽くなき愛で純真ママを取り戻す
「かいもー!」
「海もおいで。反対に掴まって」
大喜びの陸を目に、海もすかさず勇信さんの元に駆け寄る。
「ふたりとも、いくぞ」
左右の腕に掴まった子どもたちに合図をし、ゆっくり立ち上がる。彼の腕にぶら下がったふたりは「きゃー!」と歓声を上げた。
数十秒前までぐずりそうになっていたのが嘘のよう。
初めて見るふたりのはしゃいだ姿、子どもたちを両手に軽々持ち上げる勇信さん。
それは、私にとって見ることのできない光景のはずだった。目に映るものは夢のような現実。
私たちが家族になったら、もっとこんな幸せな風景を見られるのだろうか。
「まずい、こんなところで遊んでる場合じゃないぞ。陸、海、抱っこしよう」
勇信さんは一度ふたりを下ろし、改めて片手ずつに子どもたちを抱える。そして「希穂、行こう」と先を急いだ。
「勇信さん、大丈夫ですか?」
子どもたちをふたりとも任せているから心理的にそう訊いていたのだろう。
勇信さんは余裕の表情で「ぜんぜん大丈夫」と笑う。
「ママー、なんかパパができたみたいだね!」
抱っこされている海が私に向かってそんなことを言ってきて、どきりと胸が音を立てる。
陸はそれを聞いて「パパー!?」とテンション高く声を上げた。
もしかして、今が子どもたちに告げるタイミング……!?
一瞬そう思ったものの、勇信さんが「急げー!」と駆けだして先を急ぐ空気に呑み込まれた。