双子パパになった不屈の自衛官は飽くなき愛で純真ママを取り戻す
母に促され、勇信さんは奥のソファに腰を下ろす。私がそのとなりに掛け、向かいに母と姉が座った。
いよいよ話し合いの場となり緊張感に包まれる。
「お時間をいただき、ありがとうございます」
向かい合うとすぐ勇信さんが話し合いの機会に感謝する。
「先日、初めてご挨拶した際にも言ったことですが、こうして直接ご挨拶するのが遅れ申し訳ございません。本来なら、あの子たちを授かったとわかるより前にご挨拶に訪れるのが筋です」
思わず「勇信さん」と口を」挟む。
「それは違います。私があなたとの関係を一方的に断ち切った。その上、出産も独断で決めたんです」
勇信さんはなにも知らなかった。
それをこの場ではっきりさせたくて続ける。
「連絡がつかなくなって、私の住まいにまで訪れてくれた人に非などないです。すべて、私が勝手にしたことだから」
「だとしても君はお腹を傷め、親としてひとりで全部を背負ってきたんだ」
主張をするようなはっきりとした声で言い、勇信さんは母へと向き直る。
「今更現れて、なにをお願いしにきたのかと思われても当然のことだとは重々承知の上で、今日はお願いに上がりました。希穂さんと、結婚させてください」
勇信さんが膝に手を置き深く頭を下げる。
母はじっとその姿を見つめ、静かに「頭を上げてください」と言った。