双子パパになった不屈の自衛官は飽くなき愛で純真ママを取り戻す
「こうなってしまったのは、私のせいでもあります。砂羽さんにも、希穂にも、孫たちにも……謝らなくてはいけない」
母は勇信さんと私を見ると、静かな声で「ごめんなさい」と謝った。
「でも、どうしても自分とこの子を重ねてしまった。できることなら、私と同じような心配をしなくていい相手とって……」
母が父を亡くした記憶は、生涯癒えもせず、消えることもない。
名誉の死なんて、家族にとっては綺麗ごとでしかない。
会えなくなってしまったら、触れ合えなくなってしまったら、笑い合えなくなってしまったら、絶望ののちに虚無感しか残らない。
母は、それを身を持って経験している。
「正直、今もその思いに変わりはありません。できることなら、平穏な人生を送ってもらいたい。親なら当たり前のことです。希穂に、幸せになってもらいたい気持ちの反面……矛盾していますよね」
寛大で、いつでも優しく朗らかだった父と比べ、厳格な母には無意識のうちに苦手と感じていた部分もあった。
しかしそれは、父の分まで私たち子どもをしっかりと守ろうとする母なりの鎧だったとも今となってはわかっている。
母が今抱いている複雑な思いを想像すれば、自然と目に涙が浮かんでくる。